僕たちは検索エンジンを,よく働く,でもあんまり高性能ではないロボットと思っている。ミスもするし,勘違いをすることも多い。でも,それはロボットだから,100%従順で,教えられたこと以外はしないと思っていた,のだが…。
米国アルタビスタ社は22日,特定の検索語の検索結果での有利な表示位置を競売にかけ,入札者のサイトへと導くマーケティングを中止することを発表した。このマーケティング計画は当初から,落札により現れる検索結果とアルゴリズムによる「本物の」検索結果との区別がつかないことで,発表時からユーザーの反感を買っていた。計画中止についてアルタビスタ社は,「この決定は、純粋にわが社の広告主とユーザーのニーズを考慮した上でなされたものだ」とコメントしている。
当初の計画では,競売によってトップに表示される結果は,ロボットによる結果とほとんど同じ書体,サイズで書かれ,表示する場所も分けられていなかった(その検索結果表示画面,AとBが競売によるもの)。で,当然反感を買って,デザイン的にも変更を強いられ,競売によるリンクは四角く囲まれることになった(変更後の検索結果表示画面)。これを見るだけでもアルタビスタが立ち受けてしまった苦悩が見え隠れする。ワイヤードでは,ユーザーの意志を無視した企業の論理は排斥させる危険が高い。
そう,検索結果とは私たちの頭の中で,非常に機械的で,人の意志によるものでない,無機質で無表情なものと考えられている。うまく検索語がヒットしないことも多いが,それも機械がやっていることということで諦めもつく。コメント行やMETAタグで特定のキーワードを使い,イレギュラーな検索結果を引き起こしてしまうのにだまされちゃうのも,やっぱり機械だから仕方ないと思える。だから,そこで金儲けしようとか,だれそれに有利になるように表示しようとかされると,非常に不快感を覚える。検索結果は誰かのものであってはならない。
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